Japanese Red Cross Medical Center Emergency and Critical Care Medicine Center

チーム医療の推進

病院総合力で戦う

医学の発展に伴い、医師や看護師だけで医療を実施することは難しくなっています。病院で働く多種多様なメディカル・スタッフの専門性を発揮しつつ、患者の状況に的確な医療を提供できるよう、救命救急センターでは努力しています。

救命救急センターを支えるメディカル・スタッフ

救命救急センターでは、性別・年齢・疾病の病態などに関係なく重症な患者を受け入れています。様々なメディカル・スタッフと多くの診療科が協働し、質の高い医療を提供できるよう日々奮闘しています。

濃密に関わりのあるメディカル・スタッフは以下の通りです。

看護師
助産師
薬剤師(救急認定薬剤師)
臨床工学技士
公認心理士
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
管理栄養士
臨床検査技師
診療放射線技師
メディカル・ソーシャルワーカー

定期的なカンファレンスで連携している診療科は以下の通りです。

感染症科
集中治療科
リハビリテーション科
脳神経外科

多職種を含むカンファレンス

感染症・集中治療カンファレンス

毎週火曜日の昼に実施しています(2017年~)。救急科、感染症科、集中治療科、臨床検査技師(細菌検査部門)、管理栄養士(栄養課)が参加し、救急科に入院中あるいは救急外来で診療中の患者に関して検討します。

感染のフォーカス(感染臓器等)、病原体の種類、抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬の選択や投与量、早期De-escalation(より狭域スペクトラムの薬剤への変更)、治療終了時期等に関するディスカッションを行います。

公衆衛生的に問題となる疾患や院内感染の予防措置など、予防的観点も重視しています。

また、不明熱等の場合には感染症のみならず膠原病や悪性腫瘍、薬剤熱なども含む様々な鑑別疾患を前提に、暫定的な治療のみならず、診断のための適切なプロセスについても詳細に検討しています。

リハビリ・栄養カンファレンス

毎週金曜日の昼に実施しています(2017年~)。救急科、救急ICU看護師、救急HCU看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士(、必要に応じて公認心理士やメディカル・ソーシャルワーカー)が参加し、救急科に入院中の患者に関して検討します。

患者の病態に関する情報共有に加え、リハビリテーションの基本方針、進行状況、病棟で可能なリハビリテーション、栄養状態、転院先の目標や今後の課題等について具体的に検討しています。

精神疾患との兼ね合いや脊髄損傷など、多角的視点なしに良質な医療が実践できない疾患についても、亜急性期から慢性期へのシームレスな診療を心掛け、多職種連携により総合的に質の高い医療を提供できるように工夫しています。

脳卒中カンファレンス

毎月1回、脳卒中診療機能の更なる向上を目指して実施しています(2019年~)。救急科、脳神経外科、救急ICU看護師、救急HCU看護師、SCU看護師が参加し、脳卒中で来院した症例について振り返りを実施しています。

脳卒中は時間との戦いでもあり、円滑な救急診療と時機を逸しない専門加療、各病棟の密接な連携について確認し今後の課題を抽出することで、機能予後を最大化できるように努力し続けています。

救急・集中治療カンファレンス

毎週1回、Emergency ICU(救命救急センターの集中治療室)およびGeneral ICU(新生児・小児・心臓術後・移植術後・内因性疾患を含む疾患のための集中治療室)の患者に関して、救急科・集中治療科の2科合同で回診し、治療方針について話し合っています。

幅広く集中治療を要する症例について学び、新鮮な視点で治療方針を見直す機会になっています。

その他のカンファレンス

定期的には実施していませんが、救命救急センターにおける患者診療において必要性が生じた際には速やかにカンファレンスを実施しています。

患者・家族ケアカンファレンス

突然の疾病や外傷により、身体のみならず“心のケア”が必要になることがあります。救急科と救急看護師に加えて、公認心理士や精神科医が連携し、今後の介入に関する最善策を検討しています。

終末期医療カンファレンス

救命救急センターは最重症患者を受け入れているため、常に救命を目指して診療を実施しています。しかしながら治療困難性が極めて高い場合、必然的に「急性期における終末期状態」となる症例も少なくありません。カンファレンスでは患者の尊厳を保つために何が重要なのか、患者にとって最善の医療とは何かを考え、倫理的配慮をしながら診療に当たっています。

臓器提供カンファレンス

救命を目指して最大限の診療を行っても、脳機能が完全に失われ「(法的に)脳死とされうる状態」になる症例が存在します(医学的全脳死状態)。わが国ではそのような状態であるとき「臓器提供」の選択肢があるため、患者自身の記録やご家族に直接伺うことで、その意思を確認しています。

脳死下臓器提供の意向が確認されれば、患者・家族の意向を最大限尊重し、臓器移植ネットワークと連携しつつ臓器提供を実現できるように協力しています。救急科と救急看護師に加えて、公認心理士等の協力を得ながらカンファレンスを実施することで、臓器提供の実現のみならず、最愛の人を失うご家族にも寄り添えるよう努力しています。

 

PAGETOP
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.