ホットゾーン

CBRNE災害におけるゾーニングはホットゾーン(Hot Zone)、ウォームゾーン(Warm Zone)、コールドゾーン(Cold Zone)に分けられる。

すなわち、ホットゾーン内には放射性物質や病原体、化学物質などの危険物が存在するとの前提のもとに、十分なPPEの着用が必要です。
ウォームゾーンには危険物自体は存在しないのですが、ホットゾーンから出てきた人やモノは存在することがあります。ホットゾーンから出てきた人やモノの除染をするのもウォームゾーンです。
コールドゾーンは除染措置もなされて、汚染から隔離されたエリアです。
このようにゾーニングすることで、ホットゾーンから危険物が拡散することがないように、コールドゾーンに絶対的な安全を担保することが求められます。

新型コロナウイルス感染症における当救命救急センターのゾーニングコンセプト。新型コロナウイルス感染症対応における当救命救急センターのゾーニング模式図

新型コロナウイルス感染症に対する当院救急外来のゾーニング。赤白テープより向こうがホットゾーン、トラテープより向こうがウォームゾーン。実際の救急外来診察室。
トラテープより向こうがウォームゾーン、
紅白テープより向こうがホットゾーン。

ゾーニング

災害時の医療現場において、安全を確保するためにゾーンを分けることをゾーニングと言います。

例えば、近所の国道で多重衝突事故が起こったとします。
周辺には警察によって規制線が張られ、中に入ることはできなくなると思います。これは災害用語としては「外側警戒線」と呼び、この中を警戒区域と呼びます。警戒区域内に入れるのは関係者のみであり、我々医療者も要請を受けて現場に駆け付けた場合は外側警戒線を超えて警戒区域内に入ることになるでしょう。
しかし、事故車両から救助隊が傷病者を運び出すために重機なども用いて大変な救助活動をしている消防活動区域の中に、特段の訓練も受けていない(ともすれば運動不足の)医療従事者が突入することはもはや自殺行為です。この消防活動区域は危険区域とも呼ばれ、これは「内側警戒線」で区切られています。

なお、CBRNEにおけるゾーニングは「ホットゾーン」の項で詳述しようと思います。

人為災害と自然災害(詳細編)

人為災害と一概にいっても、かなり特殊なものもあります。
秋葉原無差別殺傷事件、地下鉄サリン事件などの犯罪行為も人為災害ですし、9.11同時多発テロ事件やボストンマラソン爆破テロ事件などのテロ事件も、
さらには戦争も人為災害というべきでしょう。

また、地下鉄サリンはサリンという毒性の極めて強い化学物質によって引き起こされた災害であり、
生物兵器の使用に伴う災害はウイルスという病原体による災害、
福島第一原発事故は放射性物質による災害、
ボストンマラソンは爆発物による災害であり、
CBRNE災害の多くは一般的には人為災害となることが多いと想定されてきました。

ただし、新型コロナウイルス感染症の流行は、このウイルスが自然発生であったとすれば自然災害ですし、
福島第一原発事故は原因が津波であることを考えると津波(自然災害)+放射性物質拡散(人為災害)という複合災害とも言えると思われます。

このように、自然災害と人為災害の線引きが難しい場合や、両方の要素を含む複合災害である場合もあるということをここで付け加えておきたいと思います。

CBRNE(一般編)

CBRNE災害は、特殊災害のうち、下記のものをまとめた呼称。
C:Chemical(化学)
B:Biological(生物)
R:Radiological(放射性)
N:Nuclear(核)
E:Explosive(爆発物)

これらは対応も特殊であり、それぞれに事前の準備と対策が必要となります。